スナップアップ投資顧問の評判レビュー

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推奨銘柄の事例【ペンタブレット関連株】

■ ワコム(2020年11月推奨)

業種 製造業、電子機器メーカー
推奨時点の株価
(推奨日の始値)
800円
(2020年11月24日)
※PER:20.32倍
推奨後の高値 1,009円
(2020年11月30日)
※PER:24.88倍
上昇倍率 1.2倍
現在の株価 こちら→
市場 東証1部
(2003年4月、ジャスダック上場)
ロゴ ワコム

ワコムとは

ペンタブレット世界最大手

ワコムは「ペンタブレット」の世界最大手メーカー。世界市場シェアが8割。圧倒的な1位になっている。本社は埼玉県。

ペンタブとは

ペンタブレット(略称:ペンタブ)とは、電子ペンでイラストを描く道具だ。 この道具を使うことで、「手書き」と同じ感覚で絵、図形をコンピューター上に描写し、電子データとしてパソコンに保存できる。加工や編集も簡単にできるようになる。

世界のクリエイターが愛用

ワコムのペンタブは、映画、アニメ、マンガなどの現場で使われている。米国ハリウッドの映画界でもおなじみ。米ディズニーもアニメ映画「美女と野獣」(1991年)以来、使用している。日本の漫画家たちも使いこなす。世界中のデザイナーやクリエーターに愛されている。

「鉛筆と紙」と同等を目指す

ワコムは「コンピューターを鉛筆と紙のように使いこなし、人と機械の垣根をなくす」ことを会社のモットーにしている。紙やペンと同じ書き心地を目指し、筆圧や書き心地の改善に向けた取り組みを続けている。

大量の特許を保有

ペンタブレットは、電子ペンとタブレット(板面)で構成される。電子ペンをタブレットに近づけると微弱電流が流れ、ペンの位置を識別する仕組み。

かつてコンピューター・グラフィックス(CG)で絵を描くときはマウスが使われていたが、ワコムの技術により、電子ペンで簡単に描けるようになった。ペンタブレット分野において、ワコムは大量の特許を世界で保有している。

事業領域

ワコムの事業領域は以下の通り。

  • ペンタブレットの製造(自社ブランド事業)
  • 電子ペンやタッチパネルの部品または機器のOEM供給

上記の2つのビジネスが、売上高の半分ずつを占める。

創業

ワコム(WACOM)の創業は1983年(昭和58年)だ。

大企業などで働いていた若い技術者らが集まり、設立された。恵藤洋治氏(後の社長)や村上東氏(後の専務)などが創立メンバー。創業地は埼玉県上尾市。当初から「とにかく世界初、世界一のものをつくろう」という意気込みを持っていたという。

技術者たちが立ち上げただけに、当初から研究所的性格が強かった。世界市場のニーズを意識した革新的な商品の開発を目指した。

CAD用からスタート

当初は、配電盤などの製作に使うCAD(コンピューターによる設計デザイン)用のソフトを開発した。その技術を使い、CAD用のペン型入力装置を開発した。これが、後に世界を席巻(せっけん)するペンタブレットの原型だ。

コードレス

当時、CAD用のペン型入力装置は約20社がこうした装置を作っていた。ワコムは後発だった。しかし、1984年、ワコムが世界に先駆けてCAD用ペン型入力装置のコードレス化に成功する。「コードレスデジタイザー」と呼ばれる画期的な商品だった。独自技術を使い、後に特許も取得する。これによって一気に名を挙げた。

電池レス

さらに、ペン型入力装置の電池レスを実現した。電池や充電が不要になったことで利便性が高まった。

世界初のペンタブレット開発

ある日、社員が遊び心でペン型入力装置のペン先に毛筆の筆先を付け、パソコン上にイラストを描いてみた。すると思った以上にうまく絵が描けることに気付いた。「これは商品になるのではないか」と開発が進められることになった。

1987年発売

1987年、世界初のペンタブレットの開発に成功。発売した。国内だけでなく、海外にも売り込んだ。ハイテク企業が集まるシリコンバレーがある米国西海岸にもセールスを仕掛けた。

滑らかなCG

従来のCG(コンピューターグラフィックス)は、いかにも機械で作ったという感じが強く、画面が硬いというイメージがあった。筆のように滑らかに描けるペンタブレットは、この問題を解決した。コンピューター上で自在に線や絵が描けるということで、工業デザイナーの間でも評判になった。

米ディズニーが採用

ペンタブレットは、映画業界・アニメ業界にも広がっていくことになる。中でも、ワコムの技術力の高さにいち早く目を付けたのが米ディズニーのデザイナーたちだ。パソコンでアニメを描くことができればデザインの変更など作業が簡単になる。当時、製作が進められていた映画「美女と野獣」で協力を求められることになった。

「美女と野獣」

ディズニーからは、デザイナーの力の加減で線の太さや色の濃淡を認識するための筆圧の機能向上や、筆で描いたようなイメージを出すための色のさらなる向上を求められた。ディズニーからの細かな要求に応えたことで性能も向上した。

「スター・ウォーズ」や「バットマン」も

ワコムの技術に関する評判は、ハリウッド全体に広まっていった。映画「スター・ウォーズ」を製作したルーカスフィルムなど他の製作スタジオも採用。さらに、1990年代の傑作映画「アポロ13」や「バットマン」の特撮・特殊効果の映像シーンにも、ワコム製品によるCGが使われた。

日本の漫画家モンキー・パンチ氏

日本の漫画家の間でも広まった。「ルパン三世」で知られるモンキー・パンチ氏は、ペンタブレットをいち早く取り入れた先駆者として有名だ。パンチ氏にとってワコムのペンタブレットはなくてはならない道具になったという。1990年代にはほとんどの仕事をパソコンで済ませるようになった。鉛筆で下書きをし、スキャナーでパソコンに取り込む。ベタ塗りや色づけをパソコン画面上で行って仕上げた。

逆輸入

パンチ氏のような一流漫画家が愛用したことで、日本でもじわじわとワコムが口コミで広がった。そして、アメリカから日本に「逆輸入」されるようになった。米国で先に普及したことから、日本ではワコムを米国企業と誤解したユーザーも多かった。

ジブリも

宮崎駿監督らのアニメ映画で知られるスタジオジブリでも、ワコムが使われるようになった。

次々と画期的な新商品

この間、ワコムは筆圧認識デジタイザー「SDシリーズ」、電子黒板、超大型レーザーデジタイザー「LDシリーズ」、文字対応デジタイザー「UDシリーズ」と、業界にインパクトを与える世界初の製品を次々に市場投入た。

世界トップに

1995年、ワコムはペンタブレットの世界シェアトップに上りつめた。1998年には、科学技術庁長官賞を受賞した。

ゲーム開発やビデオ編集の現場にも浸透

ビデオ編集、画像処理、工業デザインなど絵や図面を描くあらゆる分野において世界中のクリエイターの標準ツールとなった。また、ゲームソフトの開発・制作現場においても、ワコム製品によるスケッチが大きな役割を果たすようになっていった。

電子カルテや年賀状にも

電子カルテの普及に伴い医療現場にも広がった。学校教育、運送業などでも使われるようになった。

1990年代からパソコンが急速に普及したことで、一般の人たちの利用も増えた。年賀状や絵手紙作りで中高年のペンタブレットファンが急増した。

株式上場

2003年4月のジャスダック上場

2003年4月のジャスダック上場に株式の新規上場(IPO)を果たした。この時点で、ペンタブレットのシェアは国内97%以上、世界でも60%以上だった。

筆頭株主は前社長の恵藤洋治氏

上場時点の筆頭株主は創業メンバーの一人で、前社長(当時は顧問)の恵藤洋治(えとう・ようじ)氏。25%を保有していた。第2位の株主は従業員持株会で、9.57%を保有していた。

上場時の資本金13億円。直近の決算の売上高は123億円。純利益は1億1000万円だった。

<ワコムの上場時の株主構成>
大株主 保有比率
恵藤洋治(顧問、前社長) 25.22%
従業員持株会 9.57%
GEキャピタル 6.91%
三菱商事 5.39%
野田亨一(オージック社長) 4.01%
新匠栄 3.26%
オージック 2.70%
ユニテック・ホールディングス 2.70%
小川義水(社長) 2.16%
金岡秀司 2.15%

東証一部に昇格

一般ユーザーに浸透

2005年12月、東証一部に昇格した。このころには、一般ユーザーがデジタルカメラで撮影した写真をパソコン上で加工するときにワコムを使うようになった。

車のデザインに液晶一体型タブレット

また、車のカーデザイナーが自動車のデザインを考えるときなどにも、ワコムの「液晶一体型タブレット」が使われた。国内のほとんどの自動車メーカーが採用しているほか、ベンツやフェラーリ、ポルシェなどのデザインでも重宝されたという。

携帯電話向けの部品も

また、ワコム独自のペン入力の「センサー技術」を活用してつくった電子部品も売れるようになった。携帯電話やゲームといった携帯端末の部品として採用された。

独自の海外戦略

海外戦略でも独自の展開を進めた。ワコムでは、現地法人の設立当初は日本人も立ち上げに参加するが、その後は現地の人間に任せる方法を採用した。販売ノウハウやニーズ把握などは国ごとでやり方が異なるためだ。

アジア進出

先行したドイツ、米国に続き、2000年に中国、2004年に韓国へと進出。2005年にはオーストラリアに現地法人を設立し、アジア・太平洋拠点を拡充した。

2010年代も成長を持続

ワコムは2010年代も順調に成長を続けた。連結売上高は2010年3月期に320億円だったが、2020年3月期には885億円となった。10年間で2.7倍以上に増えた。

ライセンス事業が好調

多数の技術特許を保有していることが、業績にプラスとなった。ペン技術を内蔵した機器が増え、技術ライセンスのビジネスが伸びた。

アップルやマイクロソフトの脅威

一方で、アップルやマイクロソフトなど米国の巨大IT企業が、独自の技術によって電子ペン製品を開発した。ワコムにとっては脅威になると見られている。

直営の体験施設

2018年には、直営ストア1号店を東京・新宿に開設した。店舗というよりは、体験施設だ。商品を手に触ってもらい、様々な疑問をスタッフにぶつけてもらう場所となった。

CAD事業を売却

2017年、長年続けてきた「CAD(コンピューター設計)装置」の事業を売却し、撤退した。 売却先は、配電盤大手の日東工業。 ワコムのCAD製品は、電気の配電盤などの回路設計に使われていた。

ワコムの歴代社長

恵藤洋治(えとう・ようじ)

創立当初のメンバーの1人。食品商社から脱サラした。技術志向で“宝の持ち腐れ”的なところがあったワコムで、マーケティングを本格的に取り入れた。

2002年まで社長を務めた。社長退任後は顧問に就任した。

小川義水(おがわ・よしみ)

2002年6月に社長に就任した。2003年4月のジャスダック上場時点での社長となった。

1944年生まれ。日本IBMでIT関連事業に携わった後、複数の外資系企業の立ち上げに参加した。創設したある外資系企業の代理店がワコムだった。もう事業はやめて田舎でのんびり暮らそうと思っていたら、年下の恵藤・前社長に口説かれたという。就任当時、ワコムはまだ若い幹部が多かった。そこで、50代後半で経験豊富な小川氏に白羽の矢が立った。恵藤・前社長からは「自分はやはり技術者。会社を大きくするために、もうひと肌脱いでもらえませんか」と頼まれたという。

山田正彦(やまだ・まさひこ)

ワコムのプロパー社員として出世した。ベンチャー企業だったワコムを米国などの海外に広めた立役者である。46歳の若さで社長に抜擢された。

2004年6月に社長に就任した。1958年3月生まれ。新潟県出身。1986年3月東北大学の工学部卒業。1986年4月に創立間もないベンチャー企業だったワコムに入社した。

海外営業部長、米ワコムテクノロジーコーポレーション社長、電子機器事業部長、常務取締役、取締役兼専務執行役員などを歴任した。

転機は1991年に突然やってきた。本人には何の事前相談もなく社長が朝礼で「来月から山田君に米国に行ってもらう」と発表したのだ。留学経験を買われたものだった。

それから5年間、ペンタブレットを米国で必死に売り込んだ。苦労の末、ハリウッドの映画制作者らの支持を集め、普及に成功させた。

井出信孝(いで・のぶたか)

2018年4月に社長に就任した。47歳での社長就任だった。

東京都出身。1995年に国際基督教大院修了、シャープ入社。2013年8月ワコム入社し、コンポーネント事業部のマーケティグ責任者に就いた。2017年取締役に就任していた。

山田正彦社長は同年6月に取締役も退任した。